パソコンに向かっていたら
窓の外辺りから
ドスッと物音が
おそらく吊るしてあった玉ねぎが落ちたのだろう。
腐った玉ねぎは
臭い!
この上なく臭い!(@_@;)
あんなのが頭の上にでも落ちてきた日には最悪だ
臭くてたまったものではない。
ま、玉ねぎの臭い(くさい)話はさておき
その、物音で思い出した。
以前職場の病院で看護師の〇子ちゃんと夜勤をしていた時のこと。
……時間は深夜2時頃だったろうか
カルテを記載していると、窓の外から微かに音が……?
ん?
気のせいか、音がだんだん大きくなり、近づいて来ている気が。
この真夜中に? なに⁉
ちなみに窓の外は
草むらの土手になっていて、川をまたいで向こう側も竹やぶみたいな斜面の土手になっている。
(こんなに山奥じゃありません)
その川向こうの竹やぶ辺りから
ガサガサと更に音は大きくなる。
すると
バギッ‼ バギバギバギ! バギッ‼
(わたしと謎の生き物とは一切関係がございません)
「ヒャーッ‼」
思わずしがみつくふたり。
「 なに? いまの」
「え? ひと?」
「こんな時間に?」
「てか、外、川……」
「う、ん……」
「死体、遺棄⁈」
ンなこと言いながら何気に楽しんでる女二人♪
恐る恐る
カーテンを
ほんの
少し
だけめくり
窓の外に
目をやる
見えるわけない。
闇夜の夜中
2時です
ここでよく考えてみよう
向こうは外で暗い
こちらからは見えない。
が!
向こうからはこちら詰所の明かりで
私たちの姿はしっかり捉えられている(;''∀'')
私たちとしたことが迂闊だった!
「どうする? 死体遺棄してるとこ見られたと思って口封じにこっちに来るかも⁈」
「はっ、確かに! でも気になるじゃん」
と、
突然!
゛ザッバーーーン‼ バシャッ、バシャッ”
へっ?
落ちた?
捨てた?
突き落とした?
飛び込んだ?
なにが?
なにを?
どうした?
女ふたり益々好奇心は募るばかり
怖いもの見たさで懐中電灯で照らす。
ザバッ、ザバッ、ザバッ
彼(彼なのか彼女なのか老婆なのか狼なのか知らないが)はどうやら川の中を上流の方に四つん這いになって歩いて行く。
背中はやや平べったくて、やたらでかい。
暗くてよくわからなかったが、薄いグレー系のような茶系のような色で、
でも、あきらかにたぬきではなかったし、イノシシとも違う。
熊ならもっと色が濃いだろうし、ヌートリア?
(わたしはヌートリアではないです)
(ここでちょっとミニ知識)
ヌートリアなるものをご存じだろうか?
ヌートリアというのは、ネズミの仲間でネズミに比べたらとんでもなく大きい
外来種の動物だ。別名を沼狸というそうだ。見た目はカピバラなどに近い。
農作物を食い荒らしたり、水路などを決壊させたりもするらしい。
しかしヌートリアなら川の中を移動するとしたら泳ぐでしょう。
彼(彼女?)は確かに歩いている風だった。
水深はさほど深くはないが、それでもヌートリアが泳ぐには十分な深さはある。
じゃあカピバラ?
いや、カピバラはもうちょっと背中が山型になってない?
とかなんとか、ああでもないこうでもないと
女ふたりが推測する。
懐中電灯でその怪しげな生物を追っていくと
彼はザバザバと音をたてながら川上に向かって水の中を進み
姿を消した。
「……? なんだった?」
「……? さぁ~?」
とりあえず死体遺棄ではなさそうだ。
(あたりまえだ)
口封じにここにやってくることはないだろう。
夜勤をしていると様々な摩訶不思議な現象をたびたび経験する。
そしておだやかに朝は来る
何事もなかったかのように
しかし、女ふたりは興奮が冷めやらないまま
朝を迎えた。
日勤の職員たちに話しても
「どうせそりゃ、ヌートリアかなんかだったんだよ」
「あんたたち、寝ぼけていたんじゃない?」
とか。
あっさり聞き流された。
玉ねぎの腐ったやつのような、
衝撃的な臭いでも残っていれば
ことの顛末をみんなに証明できたのに……。
結局、やつは……だれ???
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