「キャーーーーッ‼」

なんだなんだ⁉
早朝に悲鳴!
殺傷事件でもあったのか⁈
前回ムカデの死骸のことを記事にした後日、事件が起きた。
あぁ、いや事件っていうほどのもんじゃないが。
仕事に出かける夫を見送りがてら、鹿之助は箒で玄関先を掃除していた。
すると突然あの悲鳴!
声がした方を見た。
それはお向かいの奥さんが愛犬と散歩に行く途中だった様子。
奥さんはしっかと愛犬を抱き足元の路上を凝視し固まっている。
鹿之助がちょっと遠目から見た奥さんの足元には、何やら動物っぽいものが横たわっている。
ん? ネコか? タヌキか?
「イタチが死んでる!」と、奥さん。
え? イタチ?
予想外だったな。
片手に箒を持ったまま鹿之助はそれ以上近づく勇気はなかった。
なぜなら……
箒があまりにも古びていて恥ずかしかったから……( ;∀;)
いやいや、そこじゃない。
イタチの死骸なぞ間近で見たくはないからだ。
しかしこのイタチの死因はなんだ?
車に轢かれたのか?
車にぶつかったのか?
そのまま眺めていても始まらない。
奥さんも散歩の続きへと行っちゃったし。
戻って洗濯物を干そう。
とは言いつつ、やはり気になるらしい……だれが? 鹿之助が( ;∀;) (自分かいっ!)
ときどき2階の窓から身を乗り出すように道路の少し先をのぞき見する。
あれから何の変化もない。
しかしさすがの鹿之助もそんな様子見ばかりはしていられない。
数時間経過し、鹿之助は外出をした。
あの子(イタチ)の亡骸を愛車で踏みつぶさぬよう、触れぬよう、そ~っと右側に避けてゆっくり通り過ごした。
なんとなく頭の辺当たりの路面が血で染まっていた感じだ。
でも本人(?)は見た目潰れてはいないようだ。
良かった、綺麗だ……(^^;)???
外出から帰ってくると、 !まだいる。
良かった、カラスの餌食になっていないのが幸いだ。
しかしいつまでもこのままじゃ困る。
だれが片付ける?
道路緊急ダイアルに通報するほどのことではないような気もするが、その前にそんなことをする勇気も番号を調べる気すらもないのが鹿之助。
(道路緊急ダイアル#9910 道路に異常を発見したらこちらまで♪)
ま、何事も無かったように鹿之助は知らんぷりをしていた。
きっと夕方になって夫が帰宅したらどっかに連絡をしてくれるだろうと♪
それより、いつも何か変わったことはないか、面白いことはないかとキョロキョロと散歩がてら町の情報を仕入れ、他所様のことにとかく首を突っ込んでくる好奇心旺盛の隣のおじさん、こんな時こそあのイタチの亡骸、どうにかしてくれんかな?
どうやら殺気を感じて家にこもっているようだ。
なんだ、肝心な時に役に立たないおじさん……(;'∀')
そんなこんなで夕方近くになってしまった。
あの子は相変わらずあの状態。
すると後ろから声が。
「1時間くらい前に行政に電話したんで引き取りに来てくれるみたいですよ」
お向かいの奥さんだ。
おお!
そうか💡‼
市役所に連絡すればよかったんだな。
仮にわかっていても連絡しないのが鹿之助(^^;)
それに引き換え、さすができる奥さんは違う。
さて、ここから真相に迫るシーンだ。
鹿之助「でも一体なんでこんなところで死んでるんでしょうね?」
奥さん「車に轢かれたんだろうか?」
鹿之助「朝主人が出るときは気付かなかったけど……そのすぐ後に奥さんが発見されたってことは…………」
奥さん「私、昨夜遅く帰ってきたけど……⁉ えっ? まさか私?」
よ~く考えてみよう。
昨夜遅くお向かいの奥さんが帰ってくる時間から今朝まで、ここを通った車はたぶん奥さんと主人の車の2台。
とすると、もしあの子が車にぶつかるなりなんなりしたとすれば、容疑者はその二人に絞られる。

「もしかして今朝ご主人の車にぶつかった?」と奥さんは遠慮なく主人の車に疑いをかけながらも、慌てて自分の車のボディを点検し始めた。
鹿之助は思った。
お向かいの奥さんのそそっかしいところはすでに保証済み。
しょっちゅうご自分の愛車に小さなケガを負わせたり、雨の中窓全開や、半ドアのまま一晩過ごしたり……そのたびに我が家は声を掛けて差し上げているが(◎_◎;)
だからといって証拠もないのに今回の真犯人が奥さんだとは言い切れないのは当たり前で。
そうこうするうちに県警……まちがい、行政のなんちゃらかんちゃら課というところからご遺体の回収に来られた。
動物の死骸は落下物として扱われるのだから、野次馬のわれら主婦二人としてはシャっと拾って適当な袋にポンと入れてそれでおしまいだと思っていた。
人の命、いや、生き物の命は(たとえ息絶えていようと)そんな軽率な扱いをしてはならぬようだ。
市の職員さんは先ず、横たわっているイタチ君に敬虔に手を合わせ一例。
この時点でわれら主婦二人は感服した。
シャっと拾うんじゃないんだ。
ポンっと袋に無造作に入れるんじゃないんだ。
職員さんは我々の温かい見守りの中(?)先ず現場保存の元、現場写真をしっかりカメラに収め、メジャーを取り出しなんだか計測している。
鑑識か?
本格的だ。
そして亡骸を丁寧に袋に収めている。
決してポイではなかった。
亡骸を撤収した後更に証拠写真を撮り、血塗られた路面をバケツの水で流し清め、厳かに現場を後に立ち去った。
(水まで用意しているんだ)
結局犯人は分からずじまい。

しかしここで新たな証言が得られた。
一つ目は近所の友人曰く
「明け方キツネの鳴くような声がした」
その情報をお向かいの奥さんに告げると
「じゃあキツネにやられたんだろうか?」
ここで一つ断っておかねばならない。
この事件の一部始終にやたらタヌキだイタチだキツネだと野生動物の名前が連なってはいるが、ここはそこまで人里離れた山の中の秘境ではないことを明記しておこう。
本題に戻ろう。
さて、二つ目の証言。
お向かいのご主人曰く
「明け方の新聞配達の車かもしれない」
これは証言というより推測に過ぎないが、我々はこれが最も有力ではないかとみている。
フム、妙に納得できる。
……まてよ、新聞配達さんは車なのか?
いつもコソッとやってきて大きな音で郵便受けに新聞を押し入れ静かに立ち去っている。
ん~~~ん、やっぱり謎だ。
ついに真犯人は挙がらず、この殺人……殺イタチ事件はうやむやのまま立ち消えとなった。
ナムアミダブツナムアミダブツ……。
それにしても今回のこの事件、何に驚いたかってお向かいの奥さんのあの悲鳴に一番驚いたわけで。
なかなか大きな悲鳴なぞ、人生の中でそうそう聞くものではあるまい。
おそらく鹿之助の長い人生で聞いた一番大きな悲鳴だったことは否定できない。
「キャーーーーッ‼」
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